“友達の輪に入っていけない子供”に悩む親御さんに知って欲しいHSPのこと

僕は親として、また小児整形分野における理学療法士として、子供と接する機会が多くあります。みなさんもご存知の通り、子供には色々なタイプの子がいます。

その中において、人一倍ものごとに対して慎重であり、敏感な子がいます。親として心配になりやすい、次のような特徴を持つ子供はいないでしょうか?

  • やることが多かったり、予想外な出来事があると動揺しやすい。
  • 刺激を受けないように避ける癖がある。
  • 自分自身の独特の世界感がある。
  • 肌ざわりの悪い衣服などを嫌悪する。
  • 友達の輪に入っていけない。

これらのことについて、僕は当然のように全て『性格』が原因であると思っていました。

しかし、HSP(Highly Sensitive Person)という概念を知ったことにより、考え方は180°変わりました。そして、そのような子供に対しての捉え方が変わり、どのように接していくべきなのかを理解できるようになりました。

このHSPのことを知ると、子供のことはもちろん、あなた自身のことを理解する助けとなるのは間違いありません。

HSPとは?

HSPは、「Highly Sensitive Person=人一倍敏感な人」と直訳することができます。子供では、「HSC=Highly Sensitive child=人一倍敏感な子」とも呼びます。

これは心理学者:エレイン・N・アーロン博士の提唱したものです。HSPは驚くことに、全人口の15~20%に見られるそうです。

前述したような特徴を持つ子供は、他の子とは違いますが、病気ではありません。しかし、発達障害があるのではないかと心配する親は多くいます。

HSP(HSC)かどうか知るためのチェックリスト

僕が手に取った本は、この本です。

この中では次のようなチェックリストがありました。

『HSCかどうかを知るための、23のチェックリスト』

  1. すぐにびっくりする。
  2. 服の布地がチクチクしたり、靴下の縫い目や服のラベルが肌に当たったりするのを嫌がる。
  3. 驚かされるのが苦手である。
  4. しつけは、強い罰よりも、やさしい注意のほうが効果的である。
  5. 親の心を読む。
  6. 年齢の割に難しい言葉を使う。
  7. いつもと違う匂いに気づく。
  8. ユーモアのセンスがある。
  9. 直観力に優れている。
  10. 興奮したあとはなかなか寝つけない。
  11. 大きな変化にうまく適応できない。
  12. たくさんのことを質問する。
  13. 服がぬれたり、砂がついたりすると、着替えたがる。
  14. 完璧主義である。
  15. 誰かがつらい思いをしていることに気づく。
  16. 静かに遊ぶのを好む。
  17. 考えさせられる深い質問をする。
  18. 痛みに敏感である。
  19. うるさい場所を嫌がる。
  20. 細かいこと(物の移動、人の外見の変化など)に気づく。
  21. 石橋をたたいて渡る。
  22. 人前で発表する時には、知っている人だけのほうがうまくいく。
  23. 物事を深く考える。

<得点評価>

13個以上に「はい」なら、お子さんはおそらくHSCでしょう。

~中略~

たとえ「はい」が1つか2つでも、その度合いが極端に強ければお子さんはHSCの可能性があります。

ただ単に内気で臆病な性格だと思っていた子供は、このような特性を持つだけのことだったことが分かり、とても安堵したのを覚えています。
それと同時に、どのようなことに注意して子育てをしていけば良いのかについて、それまで以上に考えさせられました。
HSPの子育てについては、まずHSPの特徴をもっと詳しく知る必要があります。

そもそもなぜHSPは存在するのか?

先ほどのエレイン博士の著書『The Highly Sensitive Child』によると、人類が生き延びてきたのには、「大胆派」と「慎重派」が存在したからだということです。

多数を占めるHSPでない人たちは「大胆派」として、積極的な人との交流や行動によって進んでいきます。

一方HSPである「慎重派」は、周囲の状況判断を行い、危険を察知したりすることに長けています。

この両者がうまく共存することで文明を築き、社会を発展させてきたということです。

これは、人に限ったことではなく、動物も同じであるそうです。馬などの動物も、1つの群れに「慎重派」な個体がいることで、敵から身を守り、群れ全体が生き残る確率が高くなります。

HSPの子育てが大変な理由

HSPのお子さんの子育てについて、大変だと感じるであろう理由を挙げてみます。

  • 人見知りがひどく、1人で遊ぶことが多い。
  • 初めての場所では固まって動けない。
  • 幼稚園の教室の前で、ずっと立って中を見ている。
  • 大人数が苦手で、隠れようとする。
  • 1日に服を何度も着替える。汚れたりシワがついたりすると、1時間の内2,3回着替えることもある。
  • 公園の遊具は「危ない」と言って遊ばない。
  • 『頑張ったこと』の後は、必ずしばらく休息しないといけない。

こういったことが日常茶飯事であれば、心配になるのも無理はないかもしれません。

HSPであることを理解し、良い方へ伸ばす

HSPの最大の武器は、空気を読む力です。逆に、この力の副作用が臆病さとして出てきているということがあると感じます。

空気を読む力の中には、人の感情を理解したり(動物とも意思疎通しやすい傾向があるように感じます)、音楽や芸術的感性が強かったりすることも含まれます。そのような能力を伸ばしていくような援助が、とても子育てに効果的であるでしょう。

まとめ

世の中の5人に1人がHSPだと言われています。これはもはや、全ての人にとって見過ごすことのできない事柄です。

一人でも多くの人が、HSPのことを知っていただき、自分自身や周囲の人との関係に活かしていただけたら嬉しいです。

関連書籍がいくつか出版されていますので、参考にされてみて下さい。