理学療法士が転職する際に注意するべきこと

「朝起きたくない」「家を出るのが憂鬱だ」「週が始まると気が滅入る」

 

誰しも一度は思ったことがあると思います。一般的には理由もそれぞれでしょう。

  • 人間関係が最悪。
  • 給料が安くて働く気が失せる。
  • 単調作業でつまらない。
  • 将来性がない。      など

とりわけ理学療法士にとっては、お金の問題がついて回ります。その上で、現状では業界の先行き不安などから、所属している病院や事業所の将来を心配する声も多くなっています。

さらに、人間関係の問題も当然のことながらあるでしょう。

転職を考えている方は、少しお時間をください。僕が2度転職した経験から、学んだことをお伝えします。

転職する際の心得

理学療法士の『転職』は、ちょっとしたことを知っているかどうかで大きくその差が開きます。ここでは、2つの項目でそれをご説明します。

  1. ”絶対に譲れないもの”を明確にして、それだけは必ず改善させる。
  2. 転職先の将来性を見極める。
  3. タフになる。

1.”絶対に譲れないもの”を明確にして、それだけは必ず改善させる

まずは、自分の武器を自覚する

あなたが社会で戦っていくための武器は何かありますか?

何もないと思っている状態で転職するのは非常に危険です。なぜなら、転職には不都合なこともたくさん待っているわけです。ただでさえ新しい環境に飛び込むのですから、精神的負荷がかかります。そのためには、自分自身を守るために武器が必要です。

武器というのは大げさですが、簡単なことでいいんです。例えば次のことなどが挙げられます。

  • 勉強熱心
  • 誰とでも仲良くできる
  • 接遇の力がある
  • 謙虚
  • 得意なリハビリ手技がある  など。

これらをまずは自覚しておいてください。

優先順位をつける

自分にとって仕事をする上で大事に感じていることをリストアップしてみて下さい。

いろいろとあると思います。

  • 地元で働くこと
  • 楽しく働ける職場
  • お金
  • キャリア
  • 学習環境
  • 勤務時間
  • 失業リスクがないこと  など

その中で、絶対これだけは譲れないものを、1つか2つだけピックアップして下さい。それ以上はだめです。

転職する上で、「転職して良かったな」と思えるのは、単にメリット・デメリットの差ではなく、”絶対に譲れないもの”が好転したときだけです。

僕の優先順位は【お金】でした

かなりの割合で、理学療法士はお金の問題で転職します。個人的には、給料の問題で転職することは賛成です。

現在(2017年7月時点での情報)、理学療法士の平均年収は概ね390万円です。よって、この水準に達するまでは、人によっては転職しても良いでしょう。実際僕もそうでした。

 

僕の場合は、2年置きに2回転職しましたが、320万円→350万円→400万円と増加しました。1回目は30万円年収が増額しました。2年で30万年収を上げるには、”昇給”で言えば月給1万以上の昇給です。理学療法士の世界で、そんな職場は日本中探してもありません。あったら教えてください。

1回目と2回目の転職の差は、地域格差も含まれています。2つ目の職場までは東海地方にいましたが、3つ目の職場で関東地方に来たことは大きかったです。実際求人は比較にならないほど良いものが転がっていました。

 

先ほども言いましたが、僕にとっての優先順位は下衆な話ですが【お金】でした。そのために、住む場所すら変えたわけです。その代わりデメリットもあるわけで、案の定、今の職場は最初は人間関係ドロ沼のひどいものでした。2つ上の女性の先輩に最初はイジメられまくりました。「カーテンを閉める音がうるさい」「みんなより1時間早く出勤しなさい」「あなたってghだsぁwdw・・・」と、なかなかすごい人でした。

ただし、2年間の放浪人生を体験した僕は、多少メンタルが狂っていました鍛えられていました。それが最大の武器でした。そして最終的に職場を去ったのはその女性の先輩でした。

2.転職先の将来性を見極める

介護保険サービス業界はもちろん、病院といえども最近では一生安泰とばかりはいきません。

公立病院への転職

公立病院は慢性的な赤字経営が長年指摘され続けており、繰入金という多額の税金が投入され続けています。今後、日本人口の大都市への一極集中が進めば、地方の自治体病院はさらに財政難や医師不足に陥るかもしれません。そうなれば、統廃合や民間への譲渡の話が今後増えてくる可能性があります。

とはいえ、理学療法士の転職先では、公務員に準じた給与や福利厚生形態の面などから根強い人気があり、倍率も最も高いと言えます。転職で狙うのは狭き門でしょう。

民間病院への転職

これはもうピンキリです。給与で言えば、昇給やボーナスの有無などに雲泥の差があることもあります。注意すべきは、後継者がいるかどうかです。個人病院やクリニックなどで特に問題になりやすいと思われます。後継者がいなければ、閉院するかM&A(買収や合併)を選択されることになります。閉院すれば、理学療法士は新たな職場を自分で探さなければいけません。他の病院や民間企業に買収されれば、そのままその病院で働くことはできるでしょうが、体制が変わるので、待遇は良くも悪くも変化を受け入れなければいけません。

病院によっては学会活動や決まったファシリテーションテクニックに力を入れている場所もあり、それらも判断材料として重要です。

急性期病院や回復期リハビリテーション病院、整形外科クリニックなどの間では、仕事内容がかなり異なります。僕は整形外科クリニックの外来でひたすら数を見ていくのが楽しいタイプですが、人によっては、回復期病棟などでゆったりとリハビリをやりたい方がいるなど好みが分かれます。

介護保険領域への転職

介護保険領域への転職は、理学療法士が敬遠がちになりやすい分野です。”介護”という言葉に脊髄反射的に拒否反応が出ている人もいるようです。確かに、医師との連携がしずらい職場も多くあり、画像データなどの医療情報も十分に得られなかったりと、勉強するには人一倍努力が必要でしょう。しかし、場所を間違えなければ、理学療法士が最も成功する場所でもあります。実際に、訪問看護ステーションを経営者として立ち上げ、成功している理学療法士も多くいます。今後のニーズは間違いなく病院よりも増えてくるので、ここでしっかりと戦えるかどうかは、リハビリ業界全体の課題とも言えます。

人口動態をみる

どの転職先に行くにしても、その土地の情報は必須です。特に、人口動態は重要であり、今後その地域の高齢者人口がどのように変化するのか、少子化がどのように進むのかなどの指標となります。人口の統計などは、政府統計の総合窓口:e-Statなどで確認することができます。日本の将来像を踏まえて考えていくことも大事でしょう。

3.タフになる

最も重要なのは、理学療法士自身がタフになることです。今の時代、『一生安泰』なんて言葉はありません。それは理学療法士以外もそうであり、我々も例外ではありません。資格をとれば将来の心配をしなくても良い時代はとっくに終わっています。重要なのは、どこへ転職しても、何度転職してもやっていけるメンタルです。幸いなことに、介護需要は今後まだまだ増加していきます。理学療法士はめったなことで食いっぱぐれることはないでしょう。そのため、タフに生きていきましょう。

まとめ

僕の場合は、二度転職しましたが、転職して後悔したことはこれまで一度もありません。

誤解のないように言っておきますが、前の職場が悪かったということはありません。むしろかなり恵まれた環境でした。最初の病院では院長が週1でマンツーマンでレントゲンやMRIの読影の仕方を教えてくださったり、次の職場は常務や事務長が個人的にコメダ珈琲(愛知県に山ほどある喫茶店)やレストランに連れていっていただいたりと良くしていただきました。

本当に感謝しています。

もし今後、転職を考えていらっしゃる方がいるとすれば、できれば今の環境が嫌だからではなく、ステップアップを目的に、後悔のない転職をしていただけるように願っています。