理学療法士が本気で【体操教室】を開いて学んだ3つのこと

こんにちは、理学療法士なのに運動が苦手なBaboonです。今回は体操教室について書いていこうと思います。

平成27年年度の介護保険法の改正では、『新しい介護予防・日常生活姿勢総合事業』が施行され開始されました。

その中では、一般介護予防事業として、すべての65歳以上の方を対象にしており、介護予防の観点から始まったものです。その中には、地域リハビリテーション支援事業といって、PT・OT・STといったリハビリテーション専門職者が、地域住民や介護職員への関与をしていきましょうといったものも新設されました。例えば、公民館などで行う地域のシニアフィットネスに関与したり、地域包括支援センターで行われている地域ケア会議などに定期的に関わったりといった具合です。

今後の地域での介護予防に、理学療法士も積極的に関与していくことが求められているということです。

こういった背景もあり、僕も【体操教室】を開くことにしました。そうはいっても、介護保険の枠組みではなく、病院内の活動の一環としてです。昨年8月から初めて、ちょうど一年間経過しましたので、その内容とともに、学んだことをお伝えします。今後体操教室をいろいろな分野で開催しようと考えている方は、ぜひご参考下さい。

体操教室を始めるために必要なこと

まずは、コンセプトが必要になります。そのためには、まず次のことを決めました。対象者の

  • 対象の年代範囲を決める
  • 対象となる身体機能・運動レベルを決める
  • 目標とする身体機能の状態の設定
  • 目標の管理の仕方

とりあえず、こんなところでしょうか。

対象者の年代範囲を決める

一般介護事業のような介護保険の枠組みで実施するのであれば、65歳以上誰でもといったもので良いでしょう。僕もそうしました。この年代の特に一番健康意識が高いように思えますので、集まりやすいというメリットもあります。

対象とする、おおよその身体機能・運動レベルを決める

体操教室で最も避けるべきは、“なんとなく漫然とやってしまう”ことです。なんとなく『転倒予防体操』みたいなテーマを決めて、その辺のテキストに書いてある中でできそうなものを集めただけの体操教室などはどうみても効果的ではないでしょう。

そうならないためにも、まずは対象者をある程度分ける必要があります。最低でも、立位で体操できるレベルなのか、座位でないと危ないレベルなのかくらいは分けて提供する必要があります。可能であれば、腰痛既往がある方・転倒因子がある方・フレイルやサルコペニアなど区分などを考慮した上で、対象群を絞ると良いでしょう。フレイルなどは評価基準があります。

ちなみに僕の開催している体操教室は、“腰痛を持っている方、又は既往を持っている方”に対して、さらにそれを“前屈時痛”群と、“後屈時痛”群に分けて実施しています。

目標とする身体機能の状態の設定

次に、体操教室は、それによってどのような状態を目指すのかということが明確でないといけません。画一的な目標は良くないので、個人個人に合わせた目標を設定する必要があります。僕は、それぞれの方と面談した後に、生活背景などを考慮してご本人に決めていただいています。

 目標の管理の仕方

目標ができたら、それを管理する必要があります。現在どの程度それが達成できたのかを定期的にフィードバックしながら、場合によっては目標の調整をしていきます。そのため、それらを記入した用紙をファイリングして保管しています。

体操教室の実際

体操プログラムを作成し、時間と指導マニュアルをに沿って実施するわけですが、体操は絶好の評価ツールでもあります。目的としている体操内容がうまくできない方がいた場合、『なぜできないのか』を分析することで、その方の問題点が分かります。大人数では困難ですので、体操教室の理想は指導者1人に対して参加者10人程度が理想ではないかと思います。

問題点が分かれば、プログラムを多少その方向けにカスタマイズして個人的に指導します。

このようなことを繰り返し、基本は同じプログラムを行いますが、それぞれが目標を立て、多少カスタマイズされた自分だけの体操を実施しています。

体操教室を実施して学んだ3つのこと

  1. 対象の集団が大きすぎると、画一的な内容になってしまうので、出来るだけ小集団に細分化できるかどうかがポイント。
  2. 参加者の意欲を引き出し、効果的な体操をするには、参加者自身の主体性が重要。そのため、自分自身で目標を決め、管理していく。
  3. 効果的な体操教室には、専門家による指導は必要不可欠。

まとめ

ただ体を動かすことだけでも、もちろん活動量を増やす意味ではとても良いことです。そこから、プラスαでどのようなことができるかが、各自治体には求められていることでしょう。より効果を上げるため、これから体操教室を企画されている方は、よければ参考にしてみて下さい。