広背筋の起始停止・神経支配・作用、リハビリとの関連について。

広背筋についての基本的な情報はこちらです。

起始椎骨部:Th7〜12胸椎棘突起、腰仙椎棘突起の胸腰筋膜
腸骨部:腸骨稜の後部1/3
肋骨部:第9-12肋骨
肩甲骨部:肩甲骨下角

停止上腕骨小結節稜

神経支配:胸背神経(C6〜C8)
肩関節への作用:内旋・内転・伸展

※呼吸補助(呼息)としても働きます。

広背筋について、さらに詳しく知る場合には、以下の目次より進んで下さい。

英語表記

広背筋の英語表記は、以下の通りです。

latissimus dorsi muscle

広背筋の概要

広背筋の起始停止間は距離があり、多関節にまたがっているため、非常に強力な筋収縮が可能な反面、筋挫傷も引き起こしやすい傾向にあります。

広背筋と大円筋の関係

広背筋の扁平な腱は、大円筋のより下縁を下から包み込むように回り込んでいます。広背筋は、停止部では大円筋よりも表層に位置しています。要するに、停止部に向かって捻じれて走行しているということです。

正面から見ると、広背筋と大円筋は以下のような関係となっています。

上肢挙上による影響

広背筋は、上肢を挙上させると伸長位になることから、上肢挙上位での伸展・内旋作用が最も強力です。

肩90°屈曲位では、伸展・内旋に作用します。また、肩90°外転位では内転・内旋に作用することになります。

骨盤傾斜による影響

広背筋は、腸骨稜から起始していることから、骨盤傾斜に影響を受けます。

骨盤前傾位では、広背筋の静止張力は低いですが、骨盤後傾位においては、広背筋は伸長位となるため静止張力が高くなります。

よって、立位よりも坐位の方が、広背筋は伸長されることになります。

下の図でそれを表しています。

触診

簡単な触診方法としては、坐位にて、プッシュアップ動作を行いながら触る方法です。

下の図は外側のエッジを触れていますが、肩甲骨下角へ向かう繊維や、下部肋骨に向かう繊維、腸骨稜に向かう繊維など分けて触っていくと良いかと思います。

リハビリとの関連

坐位におけるポジショニングについて

特に、一日のほとんどを車いすで生活されている方にとっては、自分自身で坐位のポジションを変えられるかというのは大きな意義があります。

そのためには、アームレストを上肢で支持した状態で、プッシュアップができるかどうかが重要です。

プッシュアップ動作の主動作筋は、広背筋ですので、広背筋がしっかりと機能しているかどうかを触診で確かめながら、リハビリにつなげていく必要があります。

広背筋挫傷について

肩甲骨の過剰な上方回旋と外転動作などにより、下角と広背筋がこすれ合うことで、広背筋挫傷を起こすことがあります。

これは、特に投球動作を繰り返すことで引き起こされます。そのようなケースにおいては、広背筋のタイトネスが絡んでいることがあります。

そういった場合においては、広背筋の柔軟性改善が必要になるでしょう。

まとめ

広背筋は長い筋繊維を持つことから、数多くの動作において主動作筋となります。

上肢挙上と骨盤後傾により伸長されることを念頭に入れながら、ADL動作やスポーツ動作における役割を押さえておきましょう。