スポーツ現場で使うテーピングの基礎。足関節内反捻挫を例にご説明します。

スポーツをやっている方や、スポーツに関するリハビリを行っていらっしゃる方は分かると思いますが、足首の捻挫は本当に多いですよね。

テーピングは薬局などにも普通に売っているありふれた商品ですが、ちゃんとした使用方法を理解していないと、効果がでません。

ここでは、テーピングの基礎と、実際の巻き方の基本形をご紹介していきます。

テーピングの歴史

テーピングの起源は、1981年のアメリカ南北戦争時において、ケガをした兵士が損傷部位に荷物梱包用のテープを巻いたことが始まりだと言われています。

余談ですが、僕のアメリカ人の友人は、ダクトテープを本当に何でもかんでも使います。梱包はもちろん車が壊れたときも、ダクトテープでぐるぐる巻きにしていました。向こうの方は、テープをよく使うのでしょうか。

日本においては、1970年代ごろに、テーピングはスポーツの世界で使われ始めるようになったそうです。

テーピングの目的

僕は毎日整形外科においてリハビリ業務を行っているわけですが、一番苦労するのは、関節が不安定な時です。

特に、関節が緩くなってしまった時ですね。

緩くなる原因はまちまちですが、多いのはやはり靭帯損傷や筋力低下です。特に、足関節や膝関節などは、靭帯による固定がとても大きなウエイトを占めていますので、靭帯損傷によって簡単に関節は不安定になります。

緩くなった関節を安定させるのは難しい

ただ硬くなっただけの組織(筋肉や靭帯、関節包など)は、根気が必要なこともありますが、比較的何とかできます。

しかし、関節が緩くなってしまうと、それを固定するには次の方法しかありません。

  1. 筋力トレーニングを行う。
  2. 装具を使う。
  3. テーピングを使う。

筋力トレーニング

筋力トレーニングは、もちろん有効な方法ですが、効果が出るまでに時間がかかります。すぐに練習に参加したいようなスポーツ選手であっても、筋力がついてくるまで待つ必要が出てきます。

装具

装具は色々なものがあります。がっちり金属支柱がついたものや、サポーターのようなもの、インソール(靴の中敷き)など様々です。これらは緩い関節を固定するのにとても適していますが、コストがかかる割には、後から微調整が難しいといった側面があります。

テーピング

テーピングの利点は、上記2つに比較すると次のことが挙げられます。

  1. 即効性がある。
  2. 微調整が可能。

よって、関節が緩くなってしまった際には、一時的にテーピングを利用することはとても有効な手段です。

しかし、テーピングにずっと頼りきりも良くないので、平行して筋力トレーニングなども行っていくべきです。テーピングなしでも、それに近い状態を作っていく努力が必要です。

テーピングの種類

テーピングには、大きく分けて非伸縮性のものと伸縮性のものがあります。これらは、目的によって使い分けが必要です。

非伸縮性テープ

非伸縮性テープは、固定力が強く、生地の色が白色のものが多いので、通称『ホワイトテープ』と呼ばれています。

強固に関節を固定したい場合などに使いますので、足関節捻挫に関しては、特によく使われる傾向にあります。

非伸縮性テープを使用する際には、テーピング部位の筋肉が緊張した状態で貼るようにします。なぜなら、筋肉が弛緩した状態で貼ってしまうと、テープが緊張した際に、皮膚を傷めたり血流が滞ったりする場合がありますので注意が必要です

サイズは50mm、38mm、25mmなどが一般的です。

ちなみに、足関節のテーピングにおいては基本的に38mmを使用することが多いです。

伸縮性テープ

伸縮性テープは、ある程度の動きを可能にしながらも、関節を制御していくことができるもので、通称『エラスティックテープ』と呼ばれます。

伸び縮みするおかげで微調整も可能で、可動性の大きな関節(肩や膝など)においては特に良く使われる傾向にあります。比較的巻きやすく使い勝手の良いテープです。

伸縮性テープの注意点としては、引き伸ばして使用する際に、締め付けが強くなることがあることです。締め付けが強くなると、血流障害や神経の圧迫などが起きることもあるので、伸縮性がある分特に注意が必要です。

サイズは75mm、50mm、25mmなどがあります。

テーピングを行う前に

テーピング適応だからといって、すぐに使用するのではなく、次のことをしっかりと確認しましょう。

皮膚の状態を確認

テーピング部位の皮膚の状態を確認して、テーピングを巻いても問題ないかどうかを判断します。

基本的には、テーピングを使用するべきでない皮膚の状態は次の2つです。

  • 皮膚が緩んでいる時。
  • 皮膚の外傷が治りきっていない時。

皮膚が緩んでいる時というのは、例えば入浴後などです。入浴後であれば、一定時間経ってからテーピングを行うのが望ましいです。

皮膚の外傷が治りきっていない時は、外傷部位に悪影響が出ることがありますので、基本的にはテーピングを使用してはいけません。

また、テーピング素材をチェックすることも必要です。特に、テーピングには粘着剤が使われていますが、その種類によっても皮膚への影響が異なります。例えば、天然ゴム製の粘着剤は、アクリル樹脂系の粘着剤に比べてアレルギー(ラテックスアレルギー)が起きやすいことがあります。

関節の可動範囲を把握する

テーピングの基本的な利用目的は、筋肉・関節運動の制限です。

そもそも、現在の筋肉や関節がどの程度動いて、どこまで動くと痛みや問題が起きるのかということを把握しておく必要があります。

関節を固定することで、運動のパフォーマンスが上がることもありますが、うまく動けないことで下がることも当然あります。

理想は、必要な部分だけをテーピングで制限して、問題のない範囲は動かせる状態を作ることです。

そのため、テーピングを使うにはある程度の専門的視点が必要となります。

テーピングを過信しない

当たり前のことですが、テーピングによって絶対にケガをしなくなるわけではありません。

一ヶ所の固定を行うということは、他の場所に負担がかかることもあります。あくまでも、テーピングは予防的観点から、少しでもケガをする可能性を下げるだけという目的で行うという意識を持っておく必要があります。

足関節のテーピング

ここでは、比較的よく起きる足関節捻挫について考えていきましょう。

足関節の捻挫の大半は、内反捻挫です。要するに、足の裏が内側に向くような形での捻挫です。

図で見た方が分かりやすいと思います。

内反捻挫

内反捻挫のためのテーピングは、僕は次のような順序で行います。

  1. テーピングポジション
  2. アンダーラップ
  3. アンカーテープ
  4. スターアップ
  5. ホースシュー
  6. サーキュラー
  7. フィギュアエイト
  8. ヒールロック

テーピングポジション

テーピングポジションとは、テーピングを行う肢位のことです。

テープは伸縮性のあるものや、非伸縮性のものがありますが、正しいテーピングポジションで行わなければ、テーピングの効果は期待できません。

足関節内反捻挫では、足首が直角になるようにしましょう。

 

実際のテーピングの巻き方

アンダーラップ~フィギュアエイト

ここから先は図で説明させていただことうと思ったわけですが、静止画では巻き方がいまいちよく分かりません。

代わりに、ニチバンのyoutube動画がすさまじく分かりやすかったので、ぜひ参考にしてください。

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ヒールロック

これに加えて、ヒールロックを巻くこともあります。

ヒールロックも動画で見つけましたので、参考にして下さい。こちらも、とても分かりやすいです。

まとめ

テーピングは、関節の制御という側面において、即効性があり微調整も可能というメリットがあります。

今回紹介したテーピング方法は、全て必ず同時にやらなければいけないというわけではなく、必要に応じて臨機応変に工夫しながら使うと良いかと思います。