1人職場も増えてきている理学療法士の職場ですが、一つの職場に10名から40名程度在籍している病院や施設なども多いかと思います。
どんな業種もそうですが、人が多くなるとそれだけ人間関係も複雑になります。理学療法士はそれに加えて、特殊な世界であるが故に、さらに人間関係の難しさを感じることもあるかと思われます。
あまり偉そうなことは言えないのですが、僕個人が感じる職場内における理学療法士の特徴や、職場内の雰囲気を改善させるために重要視していることを紹介します。
職人魂はほどほどに
一般に、理学療法士は医療における技術職という扱いを受けます。いわゆる職人です。
そのため、職人気質と言いますか、我が道を行く人間も多くいます。特に学会活動など勉強を一生懸命行っている方は特にそうです。
それだけならいいのですが、中には、『自分は勉強をしているのに、周りは怠けている』というように感じる方もいます。いろいろな学派や手技体系ごとに理学療法士は特化してくると、職人仲間である自分の学派内での意見しか認めなくなる傾向まであります。
それを回避するためにも、積極的に職場内での勉強会を開き、同一見解を持てるような場を作る必要があります。どこかの研修会に行ったなら、伝達講習会を開きましょう。
管理・運営能力を持つ
理学療法士は、技術的な研鑽は一生懸命に行いますが、職場の運営に関しては無頓着な傾向があります。例を挙げてみます。
学生ノリが抜けきれない若手の理学療法士を管理職の立場の人間は、基本的に注意するわけですが、その方法が極端なケースが見られます。
ある大規模の病院では、理学療法士が他のスタッフに声をかける際には、片膝立ちとなり「今、声をかけてもよろしいでしょうか」という決まり文句を言うことが義務付けられているそうです。管理職がそういった気持ちになるのはよく分かります。しかし、若手のスタッフはそんな方法で矯正されたとしても、嫌悪感を抱くだけでしょう。
逆のケースもあります。
職場内が無法地帯になっており、スタッフルームでお菓子を食べながら、職員同士があだ名で呼び合っているような場所もあります。
理学療法士向けの管理・運営セミナーもちらほら出てきているので、管理職の方はぜひリーダー研修のようなものに積極的に参加してはどうでしょうか。
ミーティングは最良の関係構築の場
リハビリテーション科や機能訓練部門においては、基本的に定期的なミーティングがあるかと思われます。
理学療法士は基本的に毎日個人戦の連続です。相手は個人であったり集団であったりするかもしれませんが、理学療法士は自分ひとりでそれらに対応しなければいけません。
そうであるが故に、他人からの意見を取り入れる場が致命的に少ない状態にあります。一人よがりの勤務姿勢は、必ず他人と確執を生みます。
そういったことを回避するためにも、ミーティングでは業務的な議事だけでなく、それぞれが考えている仕事像を共有する場となると良いかと思われます。また、そういったことを気兼ねなく話すことができる空気を作らねばなりません。
班・チームで行動する
大所帯のリハビリ組織内では、すでに急性期・回復期などの区分けや、疾患系統別の班などがあるところもあるでしょう。
前述したように、理学療法士は個人だけで仕事を帰結させないようにする工夫が大事です。業務は全員で取り組んでいるという認識が無ければいけません。
そのため、大小様々な班やチームに分けて、一人で仕事をしているのではないという意識を持つことが重要です。以前僕の職場にいた頑固な理学療法士さんも、班活動を行うようになってから他人への理解を示すようになったことがあります。
まとめ
ここまで理学療法士の特徴を踏まえた上で職場内の関係改善のための意見を書いてきましたが、それを行ったとしても人間と人間のことですから、問題は起きるでしょう。
しかし、少なくとも理学療法士特有の問題リスクを減らす努力をそれぞれが行っていくことは必要なことであると感じます。
人間関係については、デールカーネギーの名著『人を動かす』の関連書籍がとても役に立つので、手に取ってみて下さい。
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